大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)2997 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人四名の弁護人野尻昌次の上告趣意について。

論旨は、判例違反をいう点もあるが、所論各判例は、本件には適切でなく、結局

事実誤認、単なる法令違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人四名の弁護人松井佐の上告趣意について。

所論は、憲法三七条違反をいうも、その実質は、単なる訴訟法違反の主張に帰し、

また、憲法二五条又は二八条違反をいうも、原判決の判示に副わない事実関係を前

提とするものであつて、違憲論はその前提を欠くものであるから採用し難く、いず

れも、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人Aの上告趣意について。

所論は、憲法二八条違反をいうが、原判示に副わない事実関係を前提とするもの

で、違憲論はその前提を欠くものであるから採用し難く、刑訴四〇五条の上告理由

に当らない。また、憲法三七条一項の公平な裁判所の裁判とは、裁判の内容、手続

等が当事者の側から見て不公平でないと思われることをいうものでないことは、当

裁判所屡次の判例であるから、同条項違反の主張も前提を欠き同条の上告理由に当

らない。次に、憲法一九条違反をいうが、原控訴判決に対する主張でないから、上

告理由として不適法な主張たるを免れないし、その余は、事実誤認、単なる法令違

反の主張で、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人Bの上告趣意について。

所論は、憲法二八条違反をいうが、原判示に副わない事実関係を前提とするもの

であつて、違憲論はその前提を欠くものであり、また、憲法三七条一項の公平な裁

判所の裁判とは、裁判所の組織、構成が公正で偏頗のおそれのない裁判所の裁判を

- 1 -

指し、具体的な裁判の内容、手続等が当事者の側から見て不公平だと思われないも

のをいうものでないことは、当裁判所屡次の判例であるから、同条項違反又は偏頗

の惧のある裁判であるとの主張は、独自の事実見解を前提とするもので、いずれも、

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。なお、憲法一九条又は一四条違反をいうが、

原控訴判決に対する主張とは認められないから、上告理由として不適法たるを免れ

ない。その余の主張は、事実誤認、単なる法令違反の主張を出でないものであつて、

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人Cの上告趣意について。

論旨第一点は、憲法二八条違反をいうが、原判示に副わない事実関係を前提とす

るものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。同第二点は、違憲をいうも、

その実質は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張を出でないものであつて、同条の

上告理由に当らない。同第三点は、憲法一四条又は一九条違反をいうが、原控訴判

決に対する主張ではないから、上告理由として不適法たるを免れない。

よつて、刑訴四一四条、三八六条一項三号に従い、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり決定する。

昭和二九年二月二五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!